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【文化財保護法】

文化財保護法

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文化財保護法

 
 文化財保護法の目的 
 文化財を保存し、かつ、その活用を図り、もって国民の文化的向上に資するとともに、世界文化の進歩に貢献することを目的とします。

 1.重要文化財に関する現状変更の制限
 ・重要文化財
 重要文化財とは、有形文化財[建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化財所産で我が国にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料(法第2条第1項の1)]のうち重要なもので、文部科学大臣の指定を受けたものをいいます。
 ・制限の内容
 重要文化財(国宝を含む)に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとするときは、文化庁長官の許可を受けなければなりません。
 【適用除外】
 T 非常災害のために必要な応急措置を執る場合の現状の変更
 U 保存に影響を及ぼす行為であっても、その影響が軽微である場合

 2.重要文化財保存のための一定の行為の制限
 ・制限の内容
 文化庁長官は、重要文化財(国宝を含む)の保存のため、地域を定めて一定の行為を制限し、若しくは禁止し、又は必要な施設をすることができます。

 3.重要文化財、重要有形民俗文化財の譲渡の制限
 ・重要有形民俗文化財
 重要有形民俗文化財とは、有形の民俗文化財(衣食住、生業、信仰、年中行事等に関する風俗慣習、民俗芸能及びこれらに用いられる衣服、器具、家屋その他の物件で我が国民の生活の推移の理解のため欠くことのできないもの)のうち特に重要なもので、文部科学大臣が指定したものをいいます。
 ・制限の内容
 重要文化財(国宝を含む)又は重要有形民俗文化財を国以外の第三者に有償で譲渡しようとする者は、まず文化庁長官に国に対する売渡しの申出をしなければならず、30日を経過するまでその期間内に文化庁長官が当該重要文化財を買い取らない旨の通知をしたときはその時までは、当該重要文化財又は重要有形民俗文化財を譲渡できません。

 4.史跡名勝天然記念物に関する現状変更等の制限
 ・史跡名勝天然記念物
 史跡名勝天然記念物とは、記念物〔貝づか、古墳、都城跡、旧宅その他の遺跡で我が国にとって歴史上又は学術上価値の高いもの、庭園、橋梁、峡谷、海浜、山岳その他の名勝地で我が国にとって芸術上又は観賞上価値の高いもの並びに動物(棲息地、繁殖地及び渡来地を含む)、植物(自生地を含む)及び地質鉱物(特異な自然の現象の生じている土地を含む)で我が国にとって学術上価値の高いもの(法第2条第1項第4号)〕のうち重要なもので、文部科学大臣が指定した史跡、名勝又は天然記念物の総称をいいます。
 ・制限の内容 
 史跡名勝天然記念物(特別史跡名勝天然記念物を含む)に関しその現状を変更し、又はその保存に影響を及ぼす行為をしようとする者は、文化庁長官の許可を受けなければなりません。
 【適用除外】
 維持の措置又は非常災害のために必要な応急措置を執る場合の現状変更など

 5.史跡名勝天然記念物保存のための一定の行為の制限
 ・制限の内容
 文化庁長官は、史跡名勝天然記念物(特別史跡名勝天然記念物を含む)の保存のため、地域を定めて一定の行為を制限し、若しくは禁止し、又は必要な施設をすることを命ずることができます。

 6.伝統的建造物群保存地区内における現状変更の制限
 ・伝統的建造物群保存地区
 伝統的建造物群保存地区とは伝統的建造物群(周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で価値の高いもの)及びこれと一体をなしてその価値を形成している環境を保存するため市町村が定める地区です。
伝統的建造物群保存地区の指定状況は次の通りです。
函館市(北海道)、弘前市・黒石市(青森県)、金ヶ崎町(岩手県)、角館町(秋田県)、下郷町(福島県)、川越市(埼玉県)、佐原市(千葉県)、小木町(新潟県)、高岡市・平村・上平村(富山県)、金沢市東山・金沢市主計町(石川県)、上中町(福井県)、早川町(山梨県)、東部町・南木曾町・楢川村・白馬村(長野県)、高山市三町・高山市下二之町・美濃市・岩村町・白川村(岐阜県)、関町(三重県)、大津市・近江八幡市・五個荘町(滋賀県)、京都市上賀茂・京都市産寧坂・京都市祇園新橋・京都市嵯峨鳥居本・美山町・伊根町(京都府)、富田林市(大阪府)、神戸市・篠山市(兵庫県)、橿原市(奈良県)、倉吉市・智頭町(鳥取県)、大田市・温泉津町(島根県)、倉敷市・成羽町(岡山県)、竹原市・豊町(広島県)、萩市堀内地区・萩市平安古地区・萩市浜崎・柳井市(山口県)、脇町(徳島県)、丸亀市(香川県)、内子町(愛媛県)、室戸市(高知県)、甘木市・八女市・吉井町(福岡県)、有田町(佐賀県)、長崎市東山手・長崎市南山手・国見町(長崎県)、日田市(大分県)、日南市・日向市・椎葉村(宮崎県)、出水市・入来町・知覧町(鹿児島県)、渡名喜村・竹富町(沖縄県)が指定されています。
合計36道府県63市町村71地区(平成17年7月22日現在文化庁文化財部照会) 
 ・制限の内容
 伝統的建造物群保存地区の現状変更については、政令で定める基準に従い、市町村の条例で規制されることとなっています。
 基準の具体的な内容は次の通りで、あらかじめ、市町村の教育委員会の許可を受けなければなりません。
 (a)建築物その他の工作物(建築物等)の新築、改築、移転又は除却
 (b)建築物等の修繕、模様替え又は色彩の変更で、その外観を変更することとなるもの
 (c)宅地の造成その他の土地の形質の変更など

 7.地方公共団体が指定した文化財にかかる一定の行為等の制限
 地方公共団体が、条例により重要文化財(国宝を含む)、重要無形文化財、重要有形民俗文化財、重要無形民俗文化財及び史跡名勝天然記念物(特別史跡名勝天然記念物を含む)以外の文化財のうち重要なものを指定し、その保存及び活用のため一定の行為等の制限を行う場合があります。

【参考】
周知の埋蔵文化財包蔵地(周知の遺跡)
 @ 「周知の埋蔵文化財包蔵地」(周知の遺跡)とは、史跡に指定されている以外の場所で、伝説・口伝、学術的調査研究・表面採集等によって、その地域社会において知られている土地のことで、文化財保護法において保存、保護されています。
 A 「周知の埋蔵文化財包蔵地」(周知の遺跡)は、発掘調査で確認された遺構や遺物、過去の文献や地誌、地域の伝承などによりその範囲が推定され、遺跡地名表と遺跡地図に表示されます。
 しかし、埋蔵文化財は地中に埋もれているために明確な範囲が決定されにくく、その範囲は流動的であるため、未表示のところでも発見される可能性があります。
 B 遺跡・遺物を発見した場合
  T 遺跡
 遺跡として周知されていない土地において、土木工事、田畑の耕作、崖くずれ等によって発見されたときは、その現状を変更することなく、遅滞なく、その旨を文化庁長官に届け出ます。
  U 埋蔵物(遺物)
遺物については、発見の日から7日以内に発見した土地を所轄する警察署へ提出します。
 C 周知の遺跡にかかわる土木・建築工事等の開発行為を行う場合
  T 市町村教育委員会との事前相談・照会
事業を予定している土地が遺跡にかかるかどうか、遺跡の概要・範囲等を教育委員会(文化財保護課)に確認します。
  U 土木工事等のための発掘に関する届出
Tの結果、その土地が遺跡にかかる場合には、事業を避けることが望ましいのですが、やむなく事業を実施する場合は、原則として、工事着手の60日前までに、文化財保護法第57条の2に基づく「土木工事等のための発掘に関する届出」を提出することが事業者に義務づけられています。
 D 文化庁・都道府県の教育委員会からの指示、市町村教育委員会との事前協議
CのUの届出に対し、文化庁・都道府県の教育委員会からの指示があります。市町村教育委員会は、その指示に基づき、遺跡の具体的な取扱いについて事業者と協議することになります。
 文化庁・都道府県の教育委員会からの指示は、およそ次のケースです。
  T 事業中止・現状保存
遺跡の内容、周囲の環境等から、特に必要と判断された場合には、事業区域からはずして全面現状保存の指示が出されます。
  U 事業計画の一部変更等の指示
  V 市町村教育委員会と協議し事前発掘調査を実施する旨の指示
文化庁・都道府県の教育委員会の指示のうち、一般的にはVのケースが最も多くなっています。
協議成立に伴って「発掘届」を提出します。
 E 事前発掘調査の実施
文化庁からの指示及び市町村教育委員会との協議によって多くの場合は「DのV」のケース、即ち工事に先立つ事前発掘調査を実施することになります。
  T 発掘調査期間の保障
発掘調査は、精密な手作業による学術調査であるため、適切な時期と十分な期間が必要です。この期間を工事前に保障することになります。
  U 発掘調査経費の負担
事前発掘調査にかかる経費については、原則として事業者負担となります(原因者負担)。
 F 工事実施中に埋蔵文化財を発見した場合
史跡や周知の遺跡の範囲外でも、工事実施中などで埋蔵文化財を発見した場合は次の手続が必要です。
  T 埋蔵文化財発見の届出
文化財保護法第57条の5では、このような場合、土地所有者又は占有者はその現状を変更することなく、遅滞なく「発見届」を市町村教育委員会を経由して、文化庁長官に提出することが義務づけられています。
  U 必要な発掘
Tの提出により、必要と判断される場合には、周知の遺跡と同様発掘調査を実施することになります。
 なお、文化庁長官は、Tの届出の有無にかかわらず、遺跡が発見され必要を認めたときは工事の中止・停止等の命令を出すことができます。
 G 発掘調査終了
発掘作業終了後、関係機関の行政的・学術的判断に基づいて、事業者に対し、調査完了後の遺跡地についての取扱いの判断が示されます。
 H 出土遺物の帰属・保管
その出土遺物は、「遺失物法」により、調査主体・発見者は所轄警察署に「埋蔵文化財発見届」を提出します。警察署では、出土遺物を公告し、法律で定められた期間後は所有権は国庫に帰属します。遺物を国が保管する必要がない場合に限り、文化庁長官は、発見者・調査主体・市町村・土地所有者に現物譲与予定の通知を行います。この場合、「埋蔵文化財譲与願書」と「埋蔵文化財の一括保存についての了解」を文化庁へ提出し譲与を受けることができます。
 I 報告書の刊行の普及・啓発・活用
調査主体・発掘担当者は、調査終了後6ヵ月以内に報告書(略報)を文化庁に提出し、更に整理作業、報告書編集作業を経て学術的報告書として刊行します。この刊行をもって発掘調査が完了することになります。

 

<<H19.12.25 UP>> 最新の法令改正・情報等を反映していない場合があります。

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