事業用不動産の管理業務! 貸工場・貸倉庫のリフォーム事例
2020/06/09
立和コーポレーションは、首都圏の事業用不動産を専門に取り扱う不動産会社です。
事業用不動産の賃貸・売買の仲介業務、管理業務を行っています。
1998年の設立から今日まで培った経験や知識から、よりお客様に安心してお取引いただける企業でありたいと思っています。
今回の記事では、管理業務について!!設立当初から主力の物件種目である「貸工場・貸倉庫」のリフォーム事例を取りあげます。
貸工場・貸倉庫のリフォームについて
まず、リフォームについての一般的なお話を少し..
入居者のいない空の状態のときに行うことをおすすめしています。
例えば、貸主様ご自身で使用していた工場や倉庫をはじめて賃貸募集するタイミングや、既に賃貸していてその入居者の入替えのタイミングにできればベストです。
入居者不在時のほうが建物内外や敷地全体の状態を把握しやすく、工事期間も短くなることが多く、無駄のない費用を抑えた工事を行いやすい状況をつくれます。
貸工場や貸倉庫の賃貸借契約の継続期間は、長期にわたるケースが多く、短くても3年くらい、長い場合ですと10年もしくはそれ以上にもおよびます。
そのため、入居中のリフォームについても気を配らなければなりません。
貸主様にとって入居中の工事は、借主様と工事業者の日時の調整や安全対策、工事内容によりセキュリティー上の問題、借主様の業種により秘密保持の問題などがあり、空きの状態に比べてリフォーム期間が長期化することが多く、手間が掛かりその費用も膨らむ傾向にあります。
立和コーポレーションでは、貸主様へ対し今までの使用用途や修復履歴、借主様の事業計画などを考慮のうえ、適切なリフォームで安心・安全な賃貸経営が出来るようなアドバイスを心がけています。
貸工場・貸倉庫のリフォーム事例!
今回取り上げる事例の物件は、元は貸主様が製造業を営んでいた工場で、賃貸するにあたり立和コーポレーションへ、入居者募集と管理業務のご用命をいただいた物件です。
貸主様は、ご近所で製造業を営む方(弊社の別管理物件の所有者様でもあり)から弊社の紹介を受けたのがきっかけでした。
物件の概要を下記いたします。
物件所在地 相模原市
土地面積 約299.68坪
築年数 1978年(昭和53年)9月
建物構造 鉄骨造スレート葺平屋建
建物面積 約130.88坪
屋根は波型スレート葺きで、外壁はALC材です。
上記面積の内、約26坪が増築部分です。
天井が高く、軒高は8.2mあります。
以前は、5tクレーンも設置されていました。
リフォーム前の写真です。「かなり古いな」とお感じになった方も多いと思います。
2013年から賃貸を開始し、以後大きな不具合もない状態が続きましたが、老朽化の影響が出始めます…
雨漏りの発生は、2018年頃から…
まず、本体建物と増築部分の継ぎ目周辺から始まり、これに対しては雨漏り箇所周辺と疑わしい部分にコーキングを行いましたが、大雨や強風の時に再度発生したため、増築部分に屋根全域と本体建物との継ぎ目部分をカバー工法にて修繕し、雨漏りが収まりました。
カバー工法とは、既存の屋根の上に新しい屋根材を張る工法です。
これで増築部分に関しては、雨漏りの心配がなくなりました。
しかし、しばらくすると本体建物側の屋根の明り取りやスレート屋根、サッシ廻り、ケラバなどから次々と雨漏りが発生し始めました。
これに対しては、簡易的な補修工事(シーリングなど)を行いましたが、台風の時などには雨漏りが再発することがありました。
通常の雨では問題がなくても、台風や大雨のときは、スレート屋根の劣化部分やサッシ廻り、ALC外壁の継目と思われるところから雨漏りすることがある状態です。
他物件の管理実績で、近い築年数で同じ鉄骨造スレート葺の貸工場・貸倉庫で雨漏りが発生した時のことを思い返すと、ここでしっかりとした手を打つ必要があると感じました。
なぜなら雨漏りは、その場しのぎの工事では完全に止めることが難しいためです。
このままだと台風や大雨の時は毎年雨漏りが発生する可能性が高くなり、その度に補修工事が必要となってきます。
そこで、応急処置的な補修工事の際に同時並行で建物全体的な調査を行い、雨漏りが発生していない部分も含めた修繕工事の見積りを取り、貸主様へ対し「大規模なリフォーム」の提案をしました。
この「大規模なリフォーム」は、不具合のある所だけを直すものではなく、老朽化したところや危険な箇所を補修し、
将来的な雨漏りなどの不具合を未然に防止することが目的です。
今までの補修工事とは桁違いの費用を必要とすることになるため、貸主様と下記の内容について打合せをしました。
以前から、建物本体に問題がない限り賃貸業を続けたい旨はお伺いしていましたが、
再度、今後のことをお伺いし事業計画が変わらないことを確認しました。
賃貸経営のベースをなるところでとても重要です。
建物の老朽化について
立和コーポレーションでは、同構造・同用途の建物(鉄骨造平屋建(低層)の工場・倉庫)を多数管理してきました。
その経験から建物が古い場合、一度雨漏りが発生すると、その度に応急処置的な補修工事で対応しても、完全に雨漏りが収まるケースは少なく、別の場所から、同様の原因(塗装・シーリングの劣化など)で雨漏りすることが多いことをお伝えしました。
そのうえで、本物件が築40年以上経過していることや、自社工場として使用していた時に行った修繕工事から、長らく大規模な修繕も行っていないため、いずれ大規模な修繕が必要となることをご理解いただきました。
リフォーム、修繕工事事例
立和コーポレーションでの管理物件にて行ったリフォームや修繕工事の事例をお話ししました。
増築部分の雨漏り時にも行ったカバー工法での屋根の修繕工事や、部分的な屋根や壁の張替え工事などの工事内容とその後の経過。
ご予算の関係から、応急処置的な補修工事で雨漏りを凌いでいる事例などです。
見積書の工事内容確認の参考にして頂きました。
外壁 足場仮設工事、ALC外壁シーリング増し打ち、塗装(外壁全体)
屋根 スレート亀裂部分シーリング、明り取り部分ビス交換・シーリング
その他 窓枠サッシ・換気扇廻りシーリング、雨樋廻り補修・清掃
貸主様には、上記のことを踏まえ提案した「大規模なリフォーム」をご理解いただき工事を行いました。
本物件では、借主様の多大なご協力(詳しい状況報告や写真記録など)と継続して工事を行っているリフォーム業者様のお陰で見積りから発注、施工まで順調に完了しました。
工事完了後、大雨や長雨に際には、借主様へ雨漏りがないか、不具合がないかと確認していますが、「まったく問題ないよ。」とお返事いただいており、貸主様も安心されています。
まとめ
今回は、雨漏りがきっかけで行ったリフォーム事例を記事にしました。
雨漏りへの対応の難しさはご存じの方も多いと思いますが、ご参考になれば幸いです。
近年、台風や記録的豪雨による雨漏りや浸水の被害が増加しており、不動産会社へ管理業務を委託していない貸主様にとっては、被害状況の確認や工事業者の手配、借主様との調整など手間が掛かる要因も増えています。
これから工場・倉庫を貸したい方や、建物賃貸管理業務の委託を検討中の方は、お気軽にご相談ください。
前にも書きましたが、貸工場・貸倉庫のリフォームは物件が空きのときに行うことをおすすめしています。
貸主様にとっては貸工場や貸倉庫の賃貸はアパートやマンションと比べると、入居者の入れ替わりも少なく、比較的手間の掛からない物件種目ではありますが、手入れを怠ると、突発的で高額な修繕費用を必要としたり、借主様へ大きな損害を与えてしまう可能性もあります。
入居者が入れ替わる時期をうまく利用して、物件の状態に応じて将来に渡り有益なリフォームをご検討ください。
宅地建物取引業 国土交通大臣免許(2)8600号
◆この記事に掲載の情報は、執筆者の個人的見解であり、立和コーポレーションの見解を示すものではありません。
◆この記事に掲載の情報の正確性・完全性については、執筆者および立和コーポレーションが保証するものではありません。
◆この記事に掲載の情報は、執筆時点のもので、最新の情報ではない可能性があります。
◆この記事に掲載の情報を利用したことにより発生するいかなる費用または損害等について、執筆者および立和コーポレーションは一切責任を負いません。
あらかじめご了承ください。