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JR山手線周辺の貸工場・貸倉庫・都市型生産拠点の可能性を探る

2025/06/04

JR山手線沿線は、オフィスや商業施設のイメージが強い一方で、都市型製造や小規模物流の拠点としても注目されつつあるエリアです。
従来の「都心に工場や倉庫はない」という前提を見直し、現実的な供給地点や、山手線からアクセス可能な産業集積エリアとのつながりを整理することで、ビジネスにとって有効な立地戦略が見えてきます。
本記事では、山手線周辺における貸工場・貸倉庫の実態と可能性を、専門的かつわかりやすくお届けします。

山手線

JR山手線周辺で貸工場・貸倉庫を探す理由とは?

JR山手線は、東京の中枢を円状に結ぶ環状線であり、都内の主要ビジネスエリアや住宅地をほぼ網羅する極めて利便性の高い路線です。
このエリアにおいて工場や倉庫を賃借することには、以下のような明確なビジネス上の利点があります。

都心に近いという「立地価値」
山手線沿線は、品川・東京・新宿・池袋など、都内の主要なビジネス・行政拠点に直結しています。
このような立地に倉庫や小規模工場を設けることにより、「都市内配送の即応性」「都心からの機動的な移動」が実現可能となり、物流効率や営業活動の柔軟性が飛躍的に向上します。

高まる都市型製造・小規模加工ニーズ
都市型製造業や、3Dプリンタなどを活用した小規模加工拠点、あるいは試作・検査拠点としてのニーズが高まっており、山手線周辺における“都市機能との融合”を前提とした工場活用が注目されています。
特にクリエイティブ系の製造業や先端素材、医療機器関連では、立地による付加価値が大きく影響するケースもあります。

雇用確保のしやすさ
山手線沿線は、通勤圏の中心ともいえるエリアであり、従業員の確保や通勤利便性という点でも有利です。
特に製造・倉庫作業においては、人手確保が事業継続の鍵となるため、都心立地の優位性は無視できません。

取引先・顧客との距離の近さ
都心に拠点を持つ企業との打ち合わせや物流対応を迅速に行うためには、地理的な近接性が大きな強みになります。
山手線沿線での工場・倉庫活用は、ビジネススピードを損なわずに機能を確保できる手段として、多くの企業から選ばれています。

JR山手線で貸工場・貸倉庫の供給のある駅

山手線沿線は都市型の商業・住宅地域が中心である一方、周辺には一部で貸工場・貸倉庫の供給が見られるエリアも一部に存在します。
ここでは、実務的な観点から比較的供給事例の多い駅や、工場・倉庫ニーズに応えうるエリアを中心に、特徴を整理して解説します。

田端駅(北区)
特徴山手線内でも数少ない「貨物ターミナル」を持つ地域
JR貨物の「田端信号場」が近接しており、物流拠点としての機能が周辺に集積。
駅から少し離れると、北区の工業地域や準工業地域が広がり、小規模倉庫や軽作業場としての賃貸物件が供給される傾向があります。

鶯谷駅・日暮里駅周辺(台東区・荒川区)
特徴 戦後から続く町工場の名残を活かした立地
鶯谷〜南千住周辺には下町型の軽工業・印刷業などが根付いており、築年数の経過した工場・倉庫物件も点在。
狭小スペースや低層物件が多いが、都市型クラフト系・軽作業系には一定の需要あり。

大塚駅・巣鴨駅・駒込駅(豊島区・文京区)
特徴 住宅エリアと商業施設の中間地点にある希少立地
大規模工場には適さないが、路地裏や幹線道路沿いに、空きテナント型の倉庫・元工場を改修した物件などが存在。
都市型物流・EC倉庫として注目されるケースあり。

新大久保駅~高田馬場駅周辺(新宿区・豊島区)
特徴 繁華街・住宅街の隙間で成立するミニマル物流
大規模な倉庫ではなく、「荷捌き場付きテナント」や「元印刷所」「元工場跡地」にリノベーションされた小型物件が供給。
EC・サブスク配送事業者による短期賃貸ニーズが見られる。

品川駅・大崎駅(港区・品川区)
特徴 再開発エリアに隣接する準工業地域が点在
大崎や五反田方面には、古い倉庫跡や元事務所ビルを活用した物流対応型物件が一部存在。
品川インターシティ側では、企業向けサテライト倉庫や都市型工場の需要が高まりつつあります。

山手線「駅直近」には大規模な工場や倉庫がほとんど存在しません。
そのため、駅周辺に接するエリア(たとえば荒川区、北区、品川区、江東区、台東区など)を含めて探索する視点が現実的です。

JR山手線周辺の貸工場・貸倉庫の需要と供給

都市中心部に位置するJR山手線周辺では、大規模な製造施設の立地は難しいものの、「都市型物流」「少量・高付加価値の加工・製造」「BtoB拠点」としての機能を重視した貸工場・貸倉庫のニーズは依然として根強く存在します。
一方で、供給の制約や立地規制との兼ね合いから、需給バランスは慢性的に“需要超過”の傾向が強いのが実情です。

需要の特徴
1. 都心立地の小規模工場・倉庫へのニーズ
都心部に本社や取引先が集中する企業にとって、山手線周辺の工場・倉庫は「時間の価値」を最大化する拠点です。
特に、印刷・試作加工・3D造形・医療関連機器の組立など、少量生産を主とする業種では、短納期・即応性が求められるため、立地が重要です。

2. EC関連企業による「マイクロ物流拠点」需要
小規模倉庫を都市内で確保し、即日配送や自社配送ネットワークの構築を目指す動きが活発化。
中小の物流スタートアップや、シェア倉庫事業者も山手線近郊をターゲットとするケースが増加しています。

3. クリエイティブ系産業やスタートアップによる活用
デザイン・映像・アート制作などの現場として、元工場や倉庫をリノベーションした空間への需要も見られます。
山手線沿線のカルチャー拠点(高円寺・池袋・日暮里など)に近接していると、感性と実用性を兼ねた賃貸物件として人気です。

供給の状況と制約
1. 用途地域による制限
山手線沿線の多くは「商業地域」「第一種住居地域」「準住居地域」などで構成されており、大規模工場の建築は難しい傾向があります。
一部の準工業地域(荒川区・北区・品川区など)に限定して、倉庫や作業場として利用できる建物が供給されている状況です。

2. 古い建物・狭小スペースが中心
多くは築古の物件で、耐震基準や天井高、床荷重といった面で課題を抱えているケースも。
それでも「立地が最優先」という企業にとっては、“足場としての物件”としての価値があり、一定の需要を維持しています。

3. 競争が激しく、空室は非常に少ない
エリア内の物件数自体が限られるうえ、募集に出るとすぐに申込みが入るケースも多く、タイミングとスピードが重要です。
賃貸条件についても、賃料水準は周辺の住宅・オフィス相場に近い価格帯となり、製造業にとっては高コスト構造となりがちです。

市場データに基づく補足
東京都心5区における工業系用途の賃貸物件は、全体物件流通のわずか数%にとどまる(民間調査会社データより)。
一方で、ここ数年は「山手線×物流」の組み合わせで、短期賃貸やフレキシブル倉庫への問い合わせが増加傾向にあります。

都心立地のポテンシャルを見極めた選択を

JR山手線周辺という「都心立地」は、一見すると工場・倉庫には不向きに思われるかもしれません。
しかし、視点を変えれば、大きなビジネスチャンスを秘めたポテンシャルゾーンとも言えます。
ここでは、都心立地で貸工場・貸倉庫を選ぶうえで意識すべき戦略的な視点を整理します。

価格だけで判断しない「立地価値」の再評価
都心の物件は確かに賃料が高く、面積も限られています。
しかし、時間短縮・人材確保・取引先への即応性など、「目に見えないコスト削減効果」を含めて考えると、十分に費用対効果が見込めるケースもあります。

■荷物1個を早く届けられるだけで商機を逃さず受注できる業態
■営業・管理部門と現場の距離を近づけて迅速な意思決定を図りたい企業
■通勤時間を短縮することで、従業員の定着率や採用力を高めたい場合

こうした企業にとって、“都心にある”というだけで得られる恩恵は計り知れません。

中長期的な事業戦略とリンクさせた立地判断
都心立地を選ぶ際には、「目先の利便性」だけでなく、中長期的な事業展望との整合性を持たせることが重要です。

■ブランド戦略上、“都心に拠点がある”ことが信頼や認知向上に寄与する
■オフィス・販売拠点・製造拠点の統合や再編による業務効率化
■地価上昇エリアでの資産形成的視点(※自己所有の場合)

また、都心の再開発計画や用途地域の変更可能性なども加味しながら、将来的な「用途変更」「他業態転用」なども視野に入れた柔軟な運用ができれば、さらに選択の幅が広がります。

JR山手線周辺における東京都内の産業集積エリアとのアクセス

都心部に位置するJR山手線沿線は、東京都内の主要な産業集積エリアと極めて良好なアクセス性を持っています。
特に製造・物流・研究開発・情報通信などの事業活動において、拠点間の連携や移動効率が求められる昨今、山手線を起点とした“産業アクセス戦略”は企業にとって大きな意味を持ちます。

1. 東京都内の主要な産業集積エリア一覧と特徴

エリア名 主な業種・特徴 備考
大田区(京浜島・城南島エリア) 製造業・精密加工・物流センター 羽田空港至近、湾岸部との連携が強い
江東区(新木場・有明) 倉庫・配送・流通加工・IT関連 東京港・豊洲市場近接、倉庫街の集積あり
板橋区(高島平・前野町) 医療機器・電子部品・印刷 工業地域の維持と再開発が進行中
足立区(加平・梅島・六町) 中小製造業・機械加工・流通 首都高・外環道の利便性が高く配送基地として機能
品川区(八潮・大崎副都心) 情報通信・研究施設・都市型物流 都市再開発と共に進化するハイブリッドエリア

■ 大田区・京浜島・城南島方面へのアクセス(山手線南側)
起点駅 品川駅・大崎駅
アクセスルート 京急線やモノレールに乗換、もしくは首都高1号羽田線経由で車移動
特徴 空港・湾岸系物流を意識した企業にとって非常に好アクセス

■ 江東区・有明・新木場方面へのアクセス(山手線東側)
起点駅 浜松町駅・田町駅・上野駅
アクセスルート ゆりかもめ・臨海副都心線、もしくは首都高湾岸線利用
特徴 湾岸倉庫・大規模物流施設との連携に最適。展示会施設(ビッグサイト)も近い

■ 板橋区・高島平方面へのアクセス(山手線西側)
起点駅 池袋駅・大塚駅
アクセスルート 都営三田線や国道17号、環七経由の自動車ルート
特徴 医療機器・精密加工など技術系企業との連携が取りやすい立地

■ 足立区・北千住方面へのアクセス(山手線北東側)
起点駅 日暮里駅・田端駅・西日暮里駅
アクセスルート 常磐線・千代田線・日暮里舎人ライナーなど
特徴 下町型工業地帯との接続性が高く、職住近接も可能

■ 品川区・八潮・大崎副都心へのアクセス(山手線南側)
起点駅 大崎駅・五反田駅
アクセスルート 東急線・首都高2号目黒線利用
特徴 都市型オフィス・研究拠点との融合がしやすい都心近接エリア

3. アクセス利便性がもたらす経営メリット

■拠点間の物流効率の向上
複数の拠点を持つ企業にとって、山手線沿線に倉庫や小規模工場を持つことは、交通の中心軸としての役割を担います。

■現場と管理部門の一体化
本社や営業所が山手線内にある場合、管理部門と現場の物理的距離を縮めることで、意思決定の迅速化・業務の効率化に寄与。

■産業エリアへの人材派遣・技術支援の移動効率向上
都市部で技術者がサテライト的に作業するケースや、複数の工場に技術支援する場合、拠点間のアクセス性は極めて重要です。

複数の産業集積地とのアクセス性を最大化するという観点から、山手線を拠点とする選択は、経営効率・人材確保・サービス品質の向上に大きく寄与する可能性があります。

まとめ

都心での貸工場・貸倉庫の活用は、単なる物件探しではなく、「都市中心軸としての立地価値」を見極める戦略的な選択です。
山手線沿線に限定しても、供給のある駅や、産業集積地との優れたアクセス性、需要の構造などを丁寧に把握すれば、都市型ビジネスに適した拠点を築くことが可能です。
今後の人口動態や物流構造の変化を見据えつつ、都心立地の可能性を“現実的に活かす”視点を持つことが、差別化された事業基盤につながります。

監修 株式会社立和コーポレーション
宅地建物取引業 国土交通大臣免許(3)8600号
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