建物の構造|木造・鉄骨造・RC造の違いとは?やさしい言葉で不動産用語を解説
2025/07/31
建物を調べるとき、「木造」や「RC造」といった言葉を見たことはありませんか?
これは「建物の構造」といって、その建物が何でできているかを示す、とても大切な情報です。
「専門用語は難しくて苦手…」と感じる方も多いかもしれません。
しかし、専門用語を簡単な言葉で理解できれば、建物の特徴が明確に伝わります。
この記事では、建物の「骨組み」ともいえる構造について、それぞれの特徴をわかりやすく解説します。
目次
そもそも「建物構造」ってなに?
建物構造とは、その建物を支える「骨格」のことです。
私たちの体に骨があるように、建物にも柱や梁(はり)、壁といった骨格があり、それらが地震や風から建物を守っています。
この骨格に使われる材料によって、建物の特徴は大きく変わります。
例えば、住み心地や、音の聞こえ方、地震への強さなどが変わるのです。
主な構造には、以下の4つの種類があります。
木造 (W造)
鉄骨造 (S造)
鉄筋コンクリート造 (RC造)
鉄骨鉄筋コンクリート造 (SRC造)
それぞれの特徴を、順番に見ていきましょう。
木造(W造):日本の風土に合った、木のぬくもり
木造(W造:WoodのW)は、建物の主な骨格に木材を使った構造です。
戸建て住宅で最も多く採用されています。
良いところ
建築費が安い: 他の構造に比べて、材料費や工事にかかる費用を抑えやすいです。
風通しが良い: 木は湿気を吸ったり吐いたりする性質があるため、日本の気候に合っています。
デザインの自由度が高い: 間取りの変更やリフォームがしやすいです。
気になるところ
音が響きやすい: 他の構造に比べると、壁や床を通る音が聞こえやすいことがあります。
火事に少し弱い: 木は燃える素材ですが、最近は燃えにくい加工を施すなど、技術でカバーされています。
【こんな人におすすめ】
建築費用を抑えたい人、木のぬくもりが好きな人、将来的にリフォームを考えている人。
鉄骨造(S造):アパートや店舗で活躍する、丈夫な骨組み
鉄骨造(S造:SteelのS)は、骨格に鉄の柱や梁を使った構造です。
鉄骨の厚さによって、主に2種類に分けられます。
軽量鉄骨造: 一般的なアパートや小規模な店舗・工場・倉庫で使われます。
重量鉄骨造: 大きなビルやマンションで使われます。
良いところ
品質が安定している: 工場で材料を作るため、品質にばらつきが少ないです。
木造より丈夫: 地震に強く、柱が少ない広い空間を作りやすいです。
工期が短い: 木造より短い期間で建てられることが多いです。
気になるところ
建築費が木造より高い: 木造と比べると、費用は少し高くなります。
サビ対策が必要: 鉄はサビに弱いため、適切なサビ止め加工が必要です。
【こんな人におすすめ】
品質の安定性を重視する人、広いリビングが欲しい人。
鉄筋コンクリート造(RC造):マンションの定番!災害に強い守り
鉄筋コンクリート造(RC造:Reinforced Concreteの略)は、コンクリートと鉄筋を組み合わせた構造です。
多くのマンションで採用されています。
なぜ組み合わせるの?
コンクリートは「押される力」に非常に強いですが、「引っ張られる力」には弱いです。
一方、鉄筋は「引っ張られる力」に強いという特徴があります。
この2つを組み合わせることで、お互いの弱点を補い、非常に頑丈な構造になるのです。
良いところ
災害にとても強い: 耐震性(地震への強さ)や耐火性(火事への強さ)が非常に高いです。
音が静か: 遮音性(音を防ぐ力)が高く、隣の部屋の音が聞こえにくいです。
デザイン性が高い: 自由な形の建物を作りやすいです。
気になるところ
建築費が高い: 材料費も工事の手間もかかるため、費用は高くなります。
湿気がたまりやすい: 気密性が高いため、カビや結露に注意が必要です。換気が大切になります。
【こんな人におすすめ】
音に敏感な人、セキュリティや防災性を最優先したい人、マンションに住みたい人。
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造):最強クラス!タワーマンションを支える技術
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造:Steel Reinforced Concreteの略)は、鉄骨の周りに鉄筋を配置し、コンクリートを流し込んだ構造です。
RC造をさらに強化した、まさに最強クラスの構造と言えます。
良いところ
RC造よりさらに頑丈: 耐震性が非常に高く、揺れにくいです。
高層建築が可能: 柱や梁を細くできるため、10階建て以上の高層マンションやオフィスビルで使われます。
気になるところ
建築費が最も高い: 最も頑丈な分、建築にかかる費用も一番高くなります。
【こんな人におすすめ】
タワーマンションなど、高層階に住みたい人、最高の耐震性を求める人。
それぞれの構造をくらべてみよう
構造名 | 材料 | 特徴 | よく使われる建物 |
---|---|---|---|
木造 | 木 | 軽くて安い、火に弱い | 一戸建て住宅 |
鉄骨造 | 鉄 | 広くて自由な設計が可能 | 店舗・中規模マンション |
RC造 | 鉄筋+コンクリート | 丈夫で静か、防火にも強い | マンション・学校・病院 |
SRC造 | 鉄骨+鉄筋+コンクリート | 超高強度、コスト高 | 高層マンション・オフィスビル |
まとめ
今回は、建物の基本となる「構造」について解説しました。
木造(W造): コストを抑えたい、木の温かみが好き
鉄骨造(S造): 安定した品質、広い空間が欲しい
鉄筋コンクリート造(RC造): 防音や防災を重視、マンション
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造): 高層階建物、最高の安心感
それぞれの構造に良い点と気になる点があります。
「どんな構造でできているか」という視点を持つことで、あなたのライフスタイルに合った、建物を選ぶことができます。
宅地建物取引業 国土交通大臣免許(3)8600号
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