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建築基準法における「建物の用途変更」を解説

2024/05/17

一定の建物を建築、または一定の増改築等をする場合は、工事着工前に建築確認申請をしなればなりません。
建築基準法や、その自治体などの条例に沿った建築物なのかを審査を受けるためです。
建築確認申請後に建築確認済証が交付され、完成後に検査済証が交付された建物には、建築基準法上の「用途」が定められています。

この定められた用途以外の目的で建物を使用する場合、建築基準法における「用途変更」の手続きが必要となる場合があります。

街並み

用途変更の確認申請手続きが必要かどうか判断する流れ ①へ

① 変更する用途が建築基準法別表第一(い)欄の特殊建築物にあたるか? YES=②へ NO=用途変更の確認申請手続きが不要

建築基準法別表第一(い)欄の特殊建築物
1.劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場その他これらに類するもので政令で定めるもの
2.病院、診療所(患者の収容施設があるものに限る。)、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎その他これらに類するもので政令で定めるもの
3.学校、体育館その他これらに類するもので政令で定めるもの
4.百貨店、マーケット、展示場、キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー、ダンスホール、遊技場その他これらに類するもので政令で定めるもの
5.倉庫その他これに類するもので政令で定めるもの
6.自動車車庫、自動車修理工場その他これらに類するもので政令で定めるもの

建築基準法別表第一(い)欄の特殊建築物への用途変更の場合は、次の②の判断へ
該当しない場合は、用途変更の確認申請手続きは不要です。

② 建築基準法施行令第137条の18に規定する「類似用途」相互間の変更に該当するか? YES=用途変更の確認申請手続きが不要 NO=③へ

1.劇場、映画館、演芸場
2.公会堂、集会場
3.診療所(患者の収容施設があるものに限る。)、児童福祉施設等
4.ホテル、旅館
5.下宿、寄宿舎
6.博物館、美術館、図書館
7.体育館、ボーリング場、スケート場、水泳場、スキー場、ゴルフ練習場、バッティング練習場
8.百貨店、マーケット、その他の物品販売業を営む店舗
9.キャバレー、カフェー、ナイトクラブ、バー
10. 待合、料理店
11.映画スタジオ、テレビスタジオ

(3)(6)は、第一種・第二種低層住居専用地域または田園住居地域にあるものを除く
(7)は、第一種・第二種中高層住居専用地域または工業専用地域にあるものを除く
(9)は、準住居地域または近隣商業地域にあるものを除く

建築基準法上の用途の判断については、担当する行政窓口までご相談ください。
①に該当していても、用途変更が、建築基準法施行令第137条の18に規定する「類似用途」相互間の変更の場合は、用途変更の確認申請手続きは不要です。
①に該当し、②に該当しない場合は、次の③の判断へ

③ 用途変更する床面積が200㎡を超える? YES=用途変更の確認申請手続きが必要 NO=用途変更の確認申請手続きが不要

建築基準法改正(2019年6月25日施行)により、用途変更時の確認申請が必要な特殊建築物の規模が100㎡超から200㎡超に引き上げられました。
過去にその建物内で用途変更した面積を合算する必要があります。
①に該当、②に該当せず、用途変更する床面積が200㎡を超える場合、用途変更の確認申請手続きが必要となります。
用途変更する床面積が200㎡を超えない場合、用途変更の確認申請手続きは不要です。

用途変更の確認申請手続きが不要なケース

用途変更の確認申請が不要であっても、避難や排煙などの規定については遡及対応が必要な場合があります。
また、消防法などの関係規定については従前のままですので、用途を変えることによる手続きや、遡及対応が必要になる場合があるので注意が必要です。
必要な遡及対応が見過ごされ、知らないうちに建物が違反状態になってしまうこともありえるのです。
自治体独自の条例なども絡むことがあるので、行政や消防署などへの事前相談や建築士に調査依頼をし、関連法令に適合させましょう。

用途変更の確認申請手続きが必要なケース

・申請に必要な書類や図面がそろっているかを確認
・関係する法令や条例の確認
・申請書や図面の作成
・建築確認申請
・建築確認済証が交付された後、工事着工
・完了検査、検査済証の交付

建物の用途変更をしたら「建物表題部変更登記」をしましょう!

家屋の用途変更をした場合、不動産登記法第51条の規定により、1ヵ月以内に法務局にて建物表題部変更登記をすることが義務づけられています。
家屋の用途変更の届出がされると、賦課期日(1月1日)の属する課税年度以後の固定資産税額が変わる場合があります。

用途変更

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